私は小さな就労継続支援B型事業所で仕事をしている。
世の中には、まだまだこの就労継続支援事業所というのは認知されていないようだ。
福祉関係の仕事をしている人は、A型、B型といえばこのような事業所のことを思い浮かべることができるが、一般的な日本人は血液型としか思わない。(残念な現実)
せっかくなので就労継続支援事業所について説明をしておこう。
就労継続支援A型は、一般企業などで働くことが困難なものの、雇用契約に基づいて働くことができる方が、事業所と雇用契約を結んだうえで働くことができるサービスです。
一方、就労継続支援B型は雇用契約を結ばずに、障害や体調にあわせて自分のペースで利用できます。
B型事業所で働いていると、色んな特性を持った利用者さんの支援をする。
支援する中に、一般的にはできることでも、障害があって人によっては出来ないことがある。
それが、障害の度合いからすると、天ちゃんが子どもの今なら練習すれば出来るようになるかもしれないという事に出会う。
それを私は、障害児育児のヒントにしている。
人を考える仕事
未だ認知度の低い就労継続支援事業所で働いているが、私は今の仕事が好きだ。
もちろん、会社勤めというのは色々問題もある。人間関係とか、お給料の問題とか。
嫌なこととか不満とか全くないわけではない。
だけど、どんな仕事でも、きっと自分で作った会社でも、完全に満足できる仕事や職場環境はなかなか難しい。
色んな大小の問題はあれど、今の職場は、雰囲気や仕事内容が少なくとも今の私には合っているのだと思う。
私は昔から人のことを観察するのが好きだった。
とはいえ、この歳になるまで気が付かなかった。
とにかく私は「人のことを考える」ということが好きらしい。
だから、「なぜこの人はこんな行動をとったのか」、「この人には何が出来て何ができないか」そして、「それができるようになるためにはどうすればいいか」を考えるのは楽しい。
そして、自分の行動で相手の変化を感じられたら嬉しい。
仕事から得る子育てのヒント
「人の振り見て我が振り直せ」とはよく言ったモノで、今の仕事は「子育てのヒント」にもなる。
事業所で働く利用者さんを見て、『あぁ〜これは大人になる前に覚えさせておいた方がいいなぁ〜』と思ったことや『絶対にやめさせておいた方がいいなぁ〜』を、我が家の天ちゃんに。
例えば、その一つが、「結ぶ」という行為。
利用者さんが、仕事で紐や袋の口を結べないのを見てハッ!とした。
大人になっても蝶々結びが出来なかったら、靴紐も結べないな〜と思った。
(今時は結ばない靴紐なんて便利なものもあるけども)
そこで、天ちゃんに応用。
丁度、天ちゃんの通う放デイの先生が「出来るようになって欲しい目標、何かないですか?」と声をかけてくれた。
コレは、渡りに船!!
実は、私自身が「結ぶ」という行為を覚えるのが苦手で、蝶々結びはできるけれど正しいのか自信がない(笑)
早速、放デイに「蝶々結びを出来るように練習させてください」と依頼。
すると、3ヶ月くらいだっただろうか?
通所の度に練習して、天ちゃんは蝶々結びができるようになった!!
ちなみに今は、折り紙好きの天ちゃんなのに出来てなくて残念な「折り紙の角と角を合わせて綺麗に折る」を練習中。
もはや、角と角が綺麗に合わなくても数々の作品を生み出せる天ちゃんは凄いとしか言いようがないのだが、今より緻密な折り紙ができるようになるには必要不可欠な練習。
社会に出ても紙を綺麗に二つ折りに出来ないというのは何かと弊害があるから、練習は大事だ。
対抗心は成長のきっかけ
天ちゃんができるようになると、弟の樹も闘志を燃やしだした(笑)
「結ぶ」ということに興味が出たようで、おばあちゃんに習っていた。
今のところ、蝶々結びは習ってないけれど、固結び的なものはできるようになった。
しかし、これで厄介ごとが一つ(苦笑)
樹の通う保育園は、毎週金曜日が体操の日。体操服を着て登園し、体操の時間が終わったら着替える。
脱いだ体操服を先生にもらったビニール袋に入れて帰ってくる。
それを洗濯しようと思っても、樹の固結び的デタラメ結びが何度も繰り返されていて、なかなか袋が開かない(笑)
毎週金曜日の厄介ごとだ。
でも、その固結び的デタラメ結びを誇らしげに見せてくる樹を見ていると、もう少しコレを楽しもうと思ってしまう自虐的な母の私なのだった。
まとめ
今の職場は、天ちゃんを育てる上で、障害児を持つ親の先輩もいて相談できるし、勉強になることも沢山。子育てのヒントになることも転がっている。
そして、人間観察が好きで、その行動の理由を考えるのが好きな私には、とても楽しい仕事。
天職なのかは分からないけれど、この歳になって出会った仕事。
小さな事業所で、何でも屋の働きが必要で大変なこともあるけれど、それはそれで何とかなればそれでよし。
ワーママの毎日は忙しい。
それでも、今のところ嫌々ながら仕事に行っている訳ではないから、毎日の充実感もある。
自分が楽しめる仕事に出会えたことに感謝。
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