こんにちは、ねこやまです。
私は、小さな就労継続支援B型事業所の支援員として働いています。
支援員の仕事をして3年目になりますが、先日、とっても嬉しい出来事がありました。
それは、「利用者さんの成長」が目に見える形でハッキリと感じられたこと。
重度の障害があっても、時間はかかっても、
人はみなちゃんと“自分のペースで成長できる”ーー
そのことを目の前で実感できて、胸がいっぱいになりました。
そして同時に、その姿は、我が家の天ちゃんの未来への希望にもなりました。
今回は支援員として体験した、私の嬉しいエピソードと
「障害があっても、きっと自分のペースで成長していく」
そんな気づきについて綴ってみようと思います。
利用者さんの成長 ー“できた”が見えた瞬間ー
私が働く就労継続支援B型事業所では、飲食店などで使われる「おしぼりタオル」のシワ伸ばし作業を請け負っています。
タオルを1枚ずつ
広げる → 重ねる → シワを伸ばす
という、単純に見えて実はとても集中力が必要な作業です。
ある利用者さん(ここではAさんとします)も、この作業に取り組んでいます。
Aさんは日常生活の基本的なことは何とかできますが、言葉でのやりとりは難しく、表情や仕草で気持ちを伝えてくれる方です。
作業を始めた頃は、
・裏表をそろえる
・方向を合わせて広げる
といった工程がなかなか難しく、支援員ができるだけ作業しやすいように工夫して渡していました。
私はAさんがどうすれば安心して作業に取り組めるのか、毎日少しずつ方法を試しながら支援してきました。
■ そしてある日、思いがけない瞬間が訪れたのです。
おしぼり作業の支援員がほかの作業で手が離せず、普段のように“向きをそろえて渡す”ことができずに、そのままの状態でAさんの前にタオルが置かれました。
するとーー
Aさんは自分で裏表を確かめ、タオルの向きを揃え、
とても丁寧にシワを伸ばしていたのです。
いつの間にか、誰の助けもなく、一連の工程をできるようになっていました。
「見てください!Aさん、全部自分でできています!」
とスタッフに呼ばれ、私も思わず声が出ないほど感動してしまいました。
近くで見守っていると、Aさんの表情がとても誇らしげで、
“できるって嬉しい”
そんな気持ちが全身から伝わってきました。
私は思わず声をかけました。
「すごいね!できるようになったんだね!」
その瞬間のAさんは、本当に嬉しそうに微笑みました。
■ 「できることがある」って、こんなにも人を輝かせるんだ
この姿を見た時、胸が熱くなりました。
時間がかかっても、
ゆっくりでも、
少しずつでも。
その人のペースで、ちゃんと育っていく。
Aさんが自分の力で作業できるようになった姿は、
支援員の私にとっても大きな励みでした。
Bさんの成長 ー繰り返しの積み重ねが生んだ変化ー
Bさんは、日常生活の基本的なことはできますし、言葉も話せます。
ただ、会話は短い言葉が中心で、必要なことを単語で伝えてくれるタイプの方です。
そんなBさんには、ずっと苦手だったことがありました。
それは——
トイレットペーパーの交換。
Bさんは、トイレットペーパーがなくなると
✔︎ 芯を外すところまではできる
けれど、
✔︎ 外した芯を床に置いてしまう
✔︎ 新しいロールをセットしない
という状態が続いていました。
なので支援員は、
「芯はゴミ箱に入れるんだよ」
「トイレットペーパーは新しいのを付けておこうね」
と、根気よく伝え続けてきました。
私も入職当初から、何度も繰り返し声をかけてきたことの一つです。
■ そして先日のこと。
お昼休みでトイレが混み合う時間帯。
Bさんが手に芯を持って、トイレから出てくるのが見えました。
まずは、その芯をちゃんとゴミ箱へ捨てられたことを褒めました。
ところが、ふと気になりました。
“まさか、外しただけで新しいの付けてない…?
次の人が困るかもしれない…”
そう思って、次にトイレに入ろうとしていた利用者さんを一度制止し、中を確認すると——
そこには、
ちゃんと新しいトイレットペーパーがセットされていたのです。
思わず、その場で声が出ました。
「Bさん、すごい…!ちゃんと交換できてる!!」
周囲にいた支援員さんたちも驚き、
「すごいねぇ、成長したねぇ」
と、胸をいっぱいにして喜んでいました。
ちょうど買い物で立ち寄られた方も同席していたのですが、
その方も一緒になって笑顔に。
同じ空間にいた全員で、
Bさんの“できた瞬間” を見て喜んだ、温かい時間でした。
支援員として気づいた「成長の本質」
今回お話したAさん・Bさんのエピソードは、
障害のない人から見ると、
「そんなの当たり前じゃない?」
「それができないなんて?」
と思われるような小さなことかもしれません。
だけどーー
障害を抱えて生きる彼らにとっては、決して簡単なことではありません。
だからこそ、
“出来なかったことが、出来た!”
その瞬間には、大きな喜びと意味があるのです。
支援員として働く中で何より嬉しい瞬間が、
今回のように 利用者さんの成長をハッキリと感じられた時。
私が働く事業所の利用者さんは、成人と呼ばれる年齢です。
我が家の天ちゃんのような子どもとは違い、成長のスピードも、方法も、とてもゆっくり。
それでもーー
障害があっても、成人になっても、「小さな積み重ね」と「日々の繰り返し」で人はちゃんと成長する。
その事実を、今回改めて利用者さんに教えてもらいました。
障害者施設で働くということは、
利用者さんの成長を支えるだけでなく、
支援員である自分自身も成長させてもらっている のだと強く感じます。
これからも、
利用者さんの「出来ない → 出来た!」の瞬間に立ち会えることを楽しみに、
一緒に喜び、一緒に成長していけたらと思います。
その気づきは、天ちゃんの子育てにもつながった
Aさん・Bさんの成長の喜びは、私の中で、我が家の天ちゃんの未来を明るくしてくれました。
障害を抱えて生きる人は、出来ること・出来ないことの個人差が大きく、成長もとてもゆっくりです。
子どもの天ちゃんでも、交流学級の同級生と比べるとゆっくりだなと思うところがあります。
だけど、出来ることの成長はとても早く感じ、出来ないことの成長は特に遅く感じられます。
今回のAさん・Bさんのエピソードを通して、出来ないことが出来るようになるには、とても時間がかかる。
けれどー
天ちゃんが今はできないことが、大人になって働き始めてからでも出来るようになる可能性はまだまだあると思うと、未来が明るく思えます。
また一つ、支援員の仕事が自分の子育てに繋がり、未来を明るくしてくれる学びに出会うことができました。
まとめ
今回は、支援員としての仕事で起きたエピソードと、そこからの気づきについて綴ってきました。
きっと、同じワーママの方の中には共感してくださる方もいると思うのですがーー
仕事・家事・育児に追われていると、ついつい「早く!」と言ってしまったり、
サッサとできない子どもに強めの口調になってしまうこと、ありませんか?
私はそれが日常茶飯事です。
そして、後から子どもに「ごめんね…」と思うのもしょっちゅう。
だけど、ふと立ち止まって考えてみると、
その原因はいつも “自分の時間と心の余裕のなさ” から。
「早く片付けたい」という私のペースに、
子どもを合わせようとしてしまっているのです。
子どもには子どもそれぞれの成長のスピードがあり、
考えるペース、動くペースがあります。
我が家の天ちゃんは「待つこと」が苦手です。
事業所の利用者さんにも「待つのが苦手な方」がいます。
だから私はいつも、「待つのも仕事だよ」と伝えてきました。
でも…
こうして振り返ってみると、
その言葉、私自身にも必要そうです(笑)。
子どもの成長を、子どものペースを “待つ” のも、母親の大事な仕事。
AさんやBさんの姿が、それを優しく教えてくれました。
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